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マイコプラズマが再度増加~抗生剤のお話も
2016.02.23
インフルエンザに混じって、マイコプラズマ感染症が大変多くみられます。
マイコプラズマ患者数は、昨年秋から多く、今年に入ってしばらく下火になっていましたが、ここへきて、また増えてきました。
去年は小、中学生が中心でしたが、
今年は、未就学児にも多いのが特徴です。
今週(といっても、月、火の2日)だけで、マイコプラズマによると考えられる肺炎が5名。
これは、ちょっと異常な数字です。
みなさん比較的元気ですが…。されど肺炎ですので、要注意ですね。
インフルエンザと同時にマイコプラズマにも感染していた方もいました。
インフルエンザの感染確認後にタミフルを飲みはじめ、熱が下がり元気になったのに、
咳がどんどんひどくなりました。
レントゲンで肺炎と診断、血液検査でマイコプラズマ感染と確定診断した例です。
マイコプラズマは自然治癒傾向がありますが、病院に来る方は、熱が下がらなかったり、咳がひどいため、抗生剤を使用することになります。
しかし、近年、マイコプラズマも薬剤耐性化がすすんでおり、抗生剤が効きにくくなっています。
この原因の一つは、抗生剤が乱用されているためです。
かぜに抗生剤、熱もないのに抗生剤。
意味もなく抗生剤が使われていることが非常に多いというのが現状です。
みなさんは、抗生剤を処方されて、妙に安心して帰ったことはないでしょうか?
私は病院勤務医時代、「感染対策委員」をやっていました。病棟毎に各種抗生剤が使用されている状況がわかるのですが、乱用されているところほど薬剤耐性菌が検出されるのです。
そういう耐性菌による肺炎、尿路感染症、敗血症、髄膜炎… 考えただけでもゾッとします。どんなに強い点滴の抗生剤を超大量に使用しても熱が下がらないのです。
抗生剤を使いすぎることが、どれほど恐ろしいことか推測するのはむずかしくはないはずです。
先日、患者さんのお母さんに聞かれました。
「先生は、抗生剤を出さないんですか?」
私は上記の耐性菌の説明をし、必要時以外は処方しない旨、お話しました。
それが患者さん自身を守ることにつながっているんだ という事実を、理解していただきたいと思っています。
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